東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

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文学テクスト論

本専攻の創設にあったって、その土台の一つは、文学テクストを新しい観点、方法によって解読する理論を探究し、また実践するということにありました。実際、本専攻は駒場で最大の文学研究者集団を擁しています。教員約五十名のうち過半数は英語圏、フランス語圏、ドイツ語圏、日本語、ロシア・スラヴ語圏などの文学研究者なのです。

とはいえ、通常の文学部のように言語ごとに学科が分割されているのではなく、学生の関心に応じて横断的に文学テクストの研究ができる体制になっています。もちろん個別言語に即した文学研究も十分可能です。例えば、バルザック、プルースト、ヴァージニア・ウルフ、フォークナー、ベンヤミン、漱石などの研究がおおいに行われています。ただし同時に、アーサー王伝説、ロマン主義、モダニズムといった複数の言語文化にまたがった重要な現象を多角的に捉える視角を提供しているのは本専攻の大きな特徴です。文学と翻訳をめぐる問題も重視されるのは言うまでもありません。

また、文学テクストの研究といった場合、方法や理論にも重点をおいています。フォルマリズム、構造主義、精神分析、脱構築から、ポストコロニアル批評、カルチュラル・スタディーズにいたるまで、幅広く批評理論を扱い、それをテクスト分析に応用することを意識しているのが第二の特徴です。

さらに、従来研究対象とされてきた作家や作品にこだわらず、新しい作家、マイナーな現象を自由に扱うことができますし、また奨励されます。古典に親しむのはもちろん大切ですけれども、それと同時に現代世界を先鋭に切り取ったアクチュアルなテーマを大胆に開拓していただきたいと思います。

教員