東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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秦 邦生/Shin Kunio (准教授)

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  • 専門分野

    近現代イギリス文学、特にヴァージニア・ウルフ、ウィンダム・ルイス、ジョージ・オーウェルなど、20世紀前半のモダニズム以降の小説を中心に研究してきたが、最近ではカズオ・イシグロなど現代英語圏小説にも関心の幅を広げている。これと並行して、言語テクストと映像テクストとの横断的関係に着目して、特に小説から映画への翻案/アダプテーション研究も行っている。ユートピア/ディストピア、ノスタルジア、情動、リアリズムとモダニズムの緊張関係などが近年のキーワード。

    業績

    著書

    • 『愛と戦いのイギリス文化史1951-2010』(共編著、慶応義塾大学出版会、2011)
    • 『〈終わり〉への遡行――ポストコロニアリズムの歴史と使命』(共編著、英宝社、2012)
    • 『終わらないフェミニズム――「働く」女たちの言葉と欲望』(共編著、研究社、2016)
    • 『英国ミドルブラウ文化研究の挑戦』(共著、中央大学出版部、2018、「ジェイムズ・ボンドはミドルブラウ文化の夢を見るか?――イアン・フレミング『カジノ・ロワイヤル』と批評の課題の棚卸し」を分担執筆)
    • 『イギリス文学と映画』(共編著、三修社、2019)
    • 『カズオ・イシグロと日本ーー幽霊から戦争責任まで』(共編著、水声社、2020年)
    • 『ジョージ・オーウェル『一九八四年』を読むーーディストピアからポスト・トゥルースまで』(編著、水声社、2021年)

    論文 (最近のもの)

    • 「『ピカデリー』の時空間――英国サイレント末期映画における異国性、イングリッシュネス、そしてアダプテーションの問題」『映画研究』(日本映画学会誌)、第8号(2013年12月)、4-19頁。
    • “The Politics of Antimodernism: Realism, Modernism, and the Problem of the Welfare State in Kingsley Amis’s Lucky Jim.” Studies in English Literature (The English Literary Society of Japan), no. 55 (March 2014), pp. 1-18.
    • 「女工たちのモダニティ――『ヒンドル・ウェイクス』におけるアダプテーションと労働、余暇、快楽の政治学」『英文学研究』(日本英文学会誌)、第91巻(2014年12月)、1-20頁。
    • 「コロニアル・モダニティとその残滓――アミット・チョードリにおけるメタモダニズム、都市、記憶」『ヴァージニア・ウルフ研究』(日本ヴァージニア・ウルフ協会誌)第32号(2015年10月)、79-94頁。
    • 「福祉国家のためのディケンズ?――イギリス「文芸映画」とアダプテーションの歴史性」小川公代ほか編『文学とアダプテーション――ヨーロッパの文化的変容』(春風社、2017年)所収、113-39頁。
    • “The Uncanny Golden Country: Late-Modernist Utopia in Nineteen Eighty-Four.” Modernism/modernity Print Plus (The Modernist Studies Association), volume 2, cycle 2 (June 2017). https://doi.org/10.26597/mod.0007
    • 「「羨む者たち」の共同体――『わたしを離さないで』における嫉妬、羨望、愛」田尻芳樹・三村尚央共編『カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読む――ケアからホロコーストまで』(水声社、2018年)所収、197-211頁。
    • “The Work of Modern British Art in the Age of Colour Reproduction: Wyndham Lewis and C. R. W. Nevinson in Colour, 1914-1921.” The Journal of Wyndham Lewis Studies (The Wyndham Lewis Society), no. 8 (February 2019), pp. 57-86.
    • 「サルマン・ルシュディ『真夜中の子供たち』――ポストモダン/ポストコロニアルの異国性とノスタルジア」高橋和久・丹治愛編『二〇世紀英国小説の展開』(松柏社、2020年)所収、344-66頁。

    翻訳

    • トニー・ベネット、ローレンス・グロスバーグ、メギャン・モリス編『新キーワード辞典――文化と社会を読み解くための語彙集』(河野真太郎、大貫隆史との共訳共訳、ミネルヴァ書房、2011年)
    • フレドリック・ジェイムソン『未来の考古学I ユートピアという名の欲望』(作品社、2011年)
    • レドリック・ジェイムソン『未来の考古学II 思想の達しうる限り』(河野真太郎、大貫隆史との共訳、作品社、2012年)

    国際学会 (最近のもの)

    • “The Late-Modernist Mishmash: Transnational Intertextuality and Hybridization in Wyndham Lewis and William Plomer.” Senate House, University of London (UK), British Association for Modernist Studies, 2014 International Conference “Modernism Now!” ロンドン大学、2014年6月27日。
    • “Some Versions of Anti-psychoanalysis: Wyndham Lewis and I. A. Richards.” University of London (UK), International Conference: Conversations between Bloomsbury & Psychoanalysis: mutual influence or incomprehension? ロンドン大学、2015年9月12日。
    • “‘The Fragility of Life’: Utopia and the Legacies of Modernism in David Mitchell’s Could Atlas.” British Association for Modernist Studies 2017 International Conference, “Modernist Life.” バーミンガム大学(英国)、2017年7月1日。
    • Abstraction, Empathy, and Mechanical Laughter in Wyndham Lewis's The Apes of God.” The Modernist Studies in Asia Network, the First International Conference “Modernism and Empathy” 香港教育大学、2018年6月16日。
    • ”Utopia’s Inhuman Temporality: H. G. Well's The Shape of Things to Come and Its Film Adaptation”, MSIA2 Annual Conference "Modernism and Multiple Temporalities" The Modernist Studies in Asia Network (MSIA) 青山学院大学、2019年9月14日。

    受賞

    • 日本英文学会優秀論文賞 2014年5月27日。
    • 日本英文学会優秀論文賞 2013年10月20日。