東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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メディア論・記号論

本専攻では、言語批判・意味批判から出発したメディア研究、さらには狭い意味での言語に限定されない、広義の人間の意味活動一般の研究を主要な活動のひとつとしてきました。

言語科学や言語態研究にもとづくメディア論は、メディア技術の変化が人々の意味世界に大きな影響をあたえている今日では、特に重要な研究領域です。メディアの技術的な研究やメディアの社会科学的な研究に対して、本専攻がめざしているのは、メディアにおいて成立する意味現象の研究です。書物の歴史や活字メディアにおいて成立する言語態の歴史的研究に始まり、映画やテレビなどのマルチ・メディアやインターネットなどの電子メディアを通して成立するコミュニケーションの内容分析にいたるまで、多様な研究が本専攻では行われています。研究方法としては、メディア文化史、記号分析、ディスクール分析、談話分析、文体分析などからなり、それらの研究をインターディシプリナリーに総合した<メディアの言語態分析>は、本専攻が推進する言語態研究の主要な部門のひとつを構成しています。

記号論は、二十世紀を通して発達してきた人間の意味活動の基礎的な研究領域です。記号論は、<構造主義>や<ポスト構造主義>と呼ばれた20世紀の社会・文化知のパラダイム変換に貢献し、またメディア文化や大衆社会現象を理解する理論的枠組みとしてメディア・スタディーズやカルチュラル・スタディーズと呼ばれる研究動向のなかでも重要な理論的支柱となってきました。またコンピュータの思想を生み出したジョン・ロックやライプニッツに淵源する記号論には、 IT(情報コミュニケーション技術)と呼ばれる記号テクノロジーに媒介された「記号過程」を理解する新しい役割が今日求められています。情報科学や認知科学とも連携しつつ、マルチ・メディアやITにおいて成立する意味活動を解明することが記号論の新たな研究領域のひとつです。

教員