東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

Language and Information Sciences, University of Tokyo

東京大学大学院総合文化研究科

言語情報科学専攻

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言語態

言語態とは、基本的な意味では、言語(および言語活動)一般の様態および法則性のことです。言語態研究は、第一には、文学作品、また思想・哲学、演劇、神話・伝説・民話・物語などを、あるいは新聞、雑誌などのジャーナリズムの言説や政治の言説、経済的・社会的・文化的言説などを、とりわけそれらが書かれている言語(および言語活動)の様態、様式、文体に注目しつつ、その機能の仕方、働き方の解明を、テクスト総体の解釈へと結びながら、新たな視角から読解することを目指しています。

もっと広い意味では、言語態とは<ことば的なもの>全般を指します。二十世紀後半に起こった構造主義的な転換は、ある文化や社会を<ことば的なもの>として読み解く視座とその方法を科学的に探究する可能性を開いたと言えます。諸々の文化的現象、社会的現象は、広い意味での<言語活動>によって基礎づけられ、多かれ少なかれ構造化されたり、編成されたり、組織化されたりしているのです。

それゆえ、言語態の研究は、第二には、文化や社会のいわば不可視の骨格をなすこうした<ことば的なもの>全般を考察し、たとえば一般記号学、文化や歴史の詩学、言語論に基づいた文学理論、文化記号論、テクスト理論、言語行為論、言語構造の解明に結ばれた精神分析などの学知を消化・吸収しながら、発展させつつ、異文化間の接触や文化交渉論、文学と文化の翻訳の問い、書物文化論、記号論やメディア分析などの新しい領域の開拓を目指して展開されています。

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